「葬送のフリーレン」のアニメが、原作漫画に対して独自の演出を加えている部分をメモしていこうと思います。
(2025/11/15)ネタ2つを追加。追加部分は「原作」カラムを赤文字にしてあります。
主旨
「葬送のフリーレン」のアニメ(1期)は、素晴らしい漫画原作の美味しさをそのまま生かした内容に加えて、時には声優の演技と高品質の音楽とSEと作画によってパワーアップさせるという素晴らしいアニメでした。
そしてそれに見合った評価としてアニメ1期は高い評価と営業的な大成功を修め、2026年1月からの2期にも基本的には期待の声しか集まっておりません。
アニメの脚本家などが、原作にはまったくない要素…というか原作のテーマを否定するような独自の解釈や主張を加えるような「原作レイプ」のような要素は皆無と言って良いでしょうし、およそこの辺を悪く言う「原作ファン」も見当たりません。
しかしそれでも、あるいは「尺合わせ」の要素もあるかもしれませんが、アニメが独自のカットや演出を追加ないし改変したりしている部分もあります。
ここでは、気がついたものを随時メモしておきたいと思います。
なお、自分が気が付いたネタが多数ですが、SNSなどで他の方の指摘で気がついたネタも含んでいますのでご了承ください。自分も特に「おれが気がついた」権利を主張する気はありません。
これを「評論」として本格的にやるなら、アニメ1期28話を最初から原作を片手にメモを取りながら全話鑑賞するという手法を取るべきなのですが、まあそれもいずれやるかもしれませんけど、それはちょっと手に余るし網羅するのも困難なので、とりあえず気が付いたもののメモ書きを開始することにます。
基本的にはアニメの手法を肯定しているので、ぜひこのノリと完成度で2期を成功させて欲しいものだと思います。
チェックポイント
引用画像はクリックで拡大されます。発見済のものが他にもあるので、今後も随時追加していく予定です。
| 原作 | アニメ | 原作コマ | アニメ画面 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 20 | 9 | – | ![]() | 原作に描写のない100%アニオリの演出。シュタルクから「師匠の技はもっと重かった」と喝破されたリーニエが斧を出すカットですが、出した斧が地面にめりこんでいます。「そんなことないもん!重いもん!」というリーニエの心の声を石見舞菜香ボイスで脳内で再生するとリーニエのかわいさマシマシ。まあ結局はリーニエの技はやっぱり軽くて、シュタルクの胴体をぶった切れずにここで倒されて終了なんですけど。 |
| 22 | 10 | ![]() | ![]() | 回想シーンでのフランメのセリフの変更はないのですが、街に洗濯物が干されています。アニメ第10話は放映時に「千年生きた魔法使いだ」「アウラ自害しろ」で大変に話題になった神回ですが、クライマックスのこのカットで会話する2人がシルエットで示されているのは、音楽とともに大変な画面の緊張感を与えているので、そういう演出意図だったのだろうと思います。 |
| 24 | 11 | ![]() | ![]() | シュタルクがクラフトの腕の中で目覚めるシーンですが、アニメではシュタルクがジャンボベリースペシャルとアイゼンの夢を見ています。特に深い演出意図はないと思います(笑)。 |
| 24 | 11 | ![]() | ![]() ![]() | 食前にクラフトが祈りを捧げるカットで、原作通りのクラフトとフェルンの2人が祈りを捧げているカットの後で、細かい冬ごもりイベントの数カットを経てシュタルクも祈りを捧げているカットが追加され、半年の時間経過とシュタルクの変化を表現しています。キャラの内面の独自解釈に踏み込んでいますが、シュタルクは信仰を持ったわけではなくフェルンに合わせているだけという解釈も可能ですね。フリーレンは変化なしですが、アニメのほうが原作よりお行儀がいいです(パンをちぎって食べてる)。 シュタルクとフリーレンの座っている位置が変わっている意図は不明。 スープ皿のようなので、アニメで料理鍋が暖炉に吊り下げられているというのは妥当な描写 |
| 26 | 12 | ![]() | ![]() | これはアニオリな話ではなく原作に忠実であるという話なのですが、シュタルクの村を焼いた魔族はリヴァーレであることが分かる26話の小さいコマです。本編で次にリヴァーレが出るのは116話、3年も先です。アニメが石碑編まで進めばリヴァーレにも声がついて登場するでしょう。 普通に考えればシュタルクの兄と父はリヴァーレにここで殺されたと思われますので、このまま原作の話が進むといずれ成長したシュタルクがリヴァーレと対決してこれを倒して兄と父の仇を討つという激アツ展開が予想可能であることですね。楽しみです。 |
| 32 | 15 | ![]() ![]() | ![]() | オルデン卿の舞踏会でのシュタフェルのダンス。原作でのカラー見開きと1駒をアニメでは1分以上にして「このアニメのアニオリすげぇ!」と視聴者に強く印象づけた名シーンです。なかでも見どころは、最初は足取りもぎこちなく互いに目を合わせなかった所をフェルンが「はっ」とした表情で |
| 46 (NEW!) | 22 | – | ![]() ![]() | 1人で歩くラントがユーベルに声かけされる前に、ラントの前に母猫を探す子猫→子猫に近寄ろうとするラント→子猫が母猫を発見→親子猫をえも言われぬ表情で見るラント、のカットが入りました。ただの尺合わせの可能性もありますが、完全アニオリです。 ラントの親子愛への憧れが伺えるカットですが、ラントの祖母と両親の話が原作で出るのは帝国編の126話からなので、アニメ1期の制作・放映の時点ではその話は出ていなかったことには注意が必要です。この頃には原作者からラントの家庭環境については伺っていたのだと思います。偶然かもしれませんが。 |
| 46 | 22 | ![]() | ![]() | ラントの食事を見守るユーベルの前にも料理皿が置かれています。アニメでも手をつけてはいないものの、ユーベルは飲み物だけというのは不自然だという判断があったのかもしれません。 でもそのユーベルのパンはラントの注文ぶんだったのでは…(あげた?) |
| 47 (NEW!) | 22 | – | ![]() | 一級魔法使い第1次試験合格者への第2次試験への通知文書。内容が英語で書かれているアニオリ部分です。 実のところ原作漫画で「英語」が出てくるカットは町の看板なども含めてなかった筈です(たしか)。 「現代の地球とは限らないあの世界で英語を使ってるのだろうか?」問題は、割とSFやファンタジーの いわゆる「ハンバーグ問題」とも同じです(あのなろう世界に料理「ハンバーグ」はあるようだけど都市「ハンブルグ」はあるんですか?のアレ)。 一応、原作では現在もその点で露骨な英語を出すことは避けていた筈ですが、アニメではそのへんは「こまけぇことはいいんだよ!」で押し切ったようですね。原作者の承認は得ている話だとは思います。 |
| 47 | 22 | ![]() | ![]() | 一級魔法使い試験第2次試験の通知。ユーベルの視力は相当に鋭い筈ですが、アニメではわざわざラントに身体を寄せて覗き込んでいます。男の子ってこういうの好きなんでしょ? |
| 47 | 22 | ![]() | ![]() | 一級魔法使い試験第2次試験の通知。原作では伝書鳥がメトーデの足元でのびているだけですが、アニメではメトーデが伝書を取るために伝書鳥を無造作につかんで、ばたばた暴れるのも意に介さず読み続けていることで「この女やべぇ!」感を出しています。解釈違いではないと思います。この女はそれくらいはやる。 |
| 50 | 24 | ![]() | ![]() | 第2次試験でのユーベルVSユーベル複製体のバトル。このバトル自体は ユベが複製体ユベにより拘束→背後にラント→振り返る複製ユベ→拘束が解けるなり複製体に切りつけるユベ→終了 というランユベの息のあったバトルで、このネタ自体は原作とアニメで同じなのですが、アニメでは立ったユーベルの両脚ごしに後ろから映すというあざといアングルで表現されています。まあユーベルは少なくとも外見はお色気担当と言えるので構わないのですが…。 |
| 55 | 26 | ![]() | ![]() | 第2次試験クリア時のもの。このときのメトーデは直前までフェルン複製体のゾルトラークを受け流し続けていた筈なので、それなら壁にボコボコと大量の丸いクレーターができているだろうというわけです。アニメで思わず「なるほど!」と手を打ってしまった名演出。 あと、メトーデの服がアニメだと結構ボロボロ。 |




























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