「葬送のフリーレン」での伏線の張り方

タイトル詐欺ではないものの、これは「伏線」をわざわざ張っているというよりは山田鐘人せんせいが「どこまで細部を詰めてから話を作り始めているか」という話なんですが。

コミケ新刊「人名辞典」のアップデートを行うため「葬送のフリーレン」の原作漫画を精読していて改めて気がついたことでもあるのですが、「葬送のフリーレン」を読んでいてしばしば驚かされるのは、かなり後で出てくるキャラなどが実はむちゃくちゃ最初のほうでも出てくる、ということなんです。

たとえば今回、気がついたのはこのリヴァーレ。

116話

原作履修組であればご存じのように、リヴァーレは石碑編116話で勇者一同を襲うメンバーとして登場し、アイゼンと対決して読者の印象に残ったキャラだと思います。

ここで不参加を表明して去ったトートが張っているでかい伏線は、現在も未回収のままなのもご記憶の方も多いと思います。

ただしこれに少し先立つ95話でも、名前だけすでに登場しています。
これはマハト編でフェルンがソリテールと戦う前の回想シーンなので、この時点ですでにリヴァーレやトートの設定が固まっていることには意外性はないのですが。

95話

で今回、気がついたのはコレ。

26話

この時点ではほんの小さいコマに出ていただけで名前もクソもない魔族の1人だったのですが、この特徴のあるツノと服から「これ、リヴァーレじゃん…」と気が付いたのが今回の収穫。

連載中には別の絵だったものをあとから辻褄を合わせるために単行本収録時に書き直したという話でも(たぶん)ないでしょうから、これは26話の時点ではすでにリヴァーレの設定は外見を含めて固まっていたことを示しております。

26話から116話までサンデーの掲載ベースで3年以上あるんですけどね(笑)。

ちなみに原作26話はすでにアニメ化されていますので、リヴァーレはアニメ12話で初登場ということになります。

アニメ12話

ところでここまででお気づきの方も多いと思いますが、この26話(アニメ12話)のシュタルクの回想シーンは「子供の頃に兄と父を殺された」シーンであり、普通に考えれば「ここでシュタルクの兄と父はリヴァーレに殺された」ことになります。

そしてリヴァーレは、石碑編では決着がつかずに去ったきりの状態。

つまりですね、これはおそらく、いつになるかは分かりませんが、いずれリヴァーレが再登場したときに、シュタルクがこの事実を認識して、そしておそらくはシュタルクがリヴァーレを倒して「兄と父の敵討ち」を果たすという激アツ展開になる筈なんですよ。本当に楽しみなことです。

いやあ「葬送のフリーレン」って本当に面白い物語だなあ。

(おしまい)


コメント

“「葬送のフリーレン」での伏線の張り方” への1件のコメント

  1. シュタルクが敵討ちに
    本気を出して挑むシーンが想像されます!
    もしかしたら「フリーレン!助けて!!」
    では無く
    「フリーレン、ここは手を出さないでくれ」
    とか言うカッコイイセリフも聞けるのか!?と期待してしまいますね(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

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