DVD-RAM上のファイルが壊れていて、録画した番組が正常にダビングできなかった場合でも、ここで述べる方法でPC上でVR_MOVIE.VROを修復してその中の一部または全部を再生可能な動画ファイルに変換することは、あるいは可能かもしれません。
VR_MOVIE.VROファイルの確保
修復を行うVR_MOVIE.VROのファイルは普通にPCで扱えるものである必要があります。作業に先立って、うっかり作業中に消してしまうことのないよう、バックアップを取ってから作業に入りましょう。
VROフォーマット
VROフォーマットの動画ファイル(VROファイル)をPCで再生するためのソフトウェアは、有償・無償のものを含めて色々あります。
基本的には、それらをインストールしていれば、そのまま動画は一応の再生が可能でしょう。そのままでは開けなくても、拡張子を「.VRO」から「.MKV」などに変換することで開くことができるソフトもあります。
※ネットで検索すると、いろいろ出てくると思います。お好みでどうぞ。
VROファイルの再生に伴う問題
VROファイル自体にエラーがなければ、そのVROファイルにはDVD-RAMディスクに録画されていたすべての番組が入っています。
ただし、これはRDなりで録画した複数個の番組がまとめて1個のファイルに入っているため、スライダーや早送りなどを操作しても番組の区切りなどがきちんと再生できない可能性が普通にあります。
たとえば、これは番組を5話録画したVROファイルなのですが、メディアプレイヤーで再生すると最初の1話しかないように見えます。

なのですが、これをメディアプレイヤーのスライダを操作するなりしてがちゃがちゃやっていると、何かのはずみで総時間が表示されることもありました。
しばらくしたら動画を最後までメモリ内にロードしたとかいう理由もありそうに見えますが、私に理由を聞かないでください(笑)。

いずれにせよ、これではいささか具合が悪いわけです。そもそも僕らが欲しいのは「まとめて5話が入った1個のファイル」ではなく「番組ごとに分けられた5個のファイル」です。そうすれば、ファイルごとにサブタイトルをつけたり、観たい話だけを再生ができるわけなので。
このような観点から、DIGAでの処理がうまくいかなかった場合に、PC上でVR_MOVIE.VROを、番組ごとに再生可能なファイルとして修復・分割する方法について、ここで述べるものとします。
VROファイルの再エンコード
VR_MOVIE.VROファイルを直接編集して分割することも可能かもしれませんが、どうも筆者の経験上、不要なチャプター情報などのゴミが入ったままのこのファイルをPCで再エンコードしていったん「きれいな動画ファイル」に修復したほうが良いようです。
ファイルにエラーがあった場合には再エンコード時に判明しますし、分割作業の際に変な挙動を起こすこともなく、分割作業をしていない状態でPCで再生する場合にもスライダなどが正しく表示されます。
そこでまずはこのVR_MOVIE.VROファイルをPCで再エンコードします。
これはいろいろな画像編集ソフトで可能であると思いますが、筆者のお勧めは「VSDC Free Video Editor」(無料)の中に含まれている「Video Converter」でしょうか。

これを用いて、たとえばMKVフォーマットに再エンコードして変換しておくと、今後の分割作業も円滑になります。
動画ファイルの分割
複数番組の入った1本の動画ファイルを番組ごとに分割することは、動画編集ソフトで普通に可能です。
筆者のお勧めは「Area61 ムービーメーカー」でしょうか(無料)。
https://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se522094.html

1本のMKVファイルを読み込んで、それをフレーム単位で切り出すことが可能です。いちいちフレームを時分秒を入力して指定する必要がありますが、精度の高い切り出しを行ううえでは、これはそれほど不都合ではありません。まあ「コマ送り」ボタンくらいあってもいいのにな、とは思いますが(笑)、なにしろ無料。
このようにして切り出して保存したファイルのそれぞれに、サブタイトルなどの情報をファイル名として入れれば整理可能です。れっつとらい。
破損した動画ファイルの修復
ファイルVR_MOVIE.VROが正常な状態で残されていれば、上記の手段でDVD-RAMのすべての番組は救出可能です(たぶん)。
しかし不幸にしてファイルの内部にエラーが生じていた場合、上記の「再エンコード」の際などにエラーが発生して失敗することがあるかもしれません。
このような場合には「動画修復ソフト」により動画を修復して、エラーがあったファイルの一部または全部を救出可能になる可能性があります。
しかし正直なところ、これまで筆者が試してみた限りでは、満足のいく結果が得られた動画修復ソフトはあまりなく、正直おすすめしたいものがありません。
まあ、さすがにココまでやってダメなのであれば、あきらめるのも手かもしれません。ただしその場合には、もしかしたら未来のテクノロジーで救出可能になる可能性がありますので、VR_MOVIE.VROなどは捨てずに残しておきましょう。
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